消費者の関心が高まる主要アクティブ成分の徹底分析
光老化への対応は、単独の悩みに対するケアに留まりません。その予防と治療は、今日の美容業界を形成する2つの大きなトレンド、「グロウ・スキン(輝きのある肌)」および「ウェルエイジング」とも密接に関連しています。これらのトレンドの中心にあるのは、特定の「ヒーロー成分」に対する消費者の注目の高まりです。Kantar ProfilesとMintelの調査によると、英国の消費者の70%は、全成分を確認するよりも、特定の成分を意識して探す傾向にあります [1]。こうした嗜好に応えることで、ブランドは光老化に立ち向かうだけでなく、ターゲットを絞った実証済みの結果を求める現代の消費者のニーズに合致するスキンケア・ソリューションを提供することが可能となります。
輝きの決め手
シミから輝きへ:ブライトニング革命
Guidepoint Qsightのマネージミング・ディレクターであるエリック・ヘインズ(Erik Haines)氏は、Cosmetic Designのインタビューにおいて次のように述べています。「ブライトニングとエイジングケアへの関心は、スキンケアにおける最もポピュラーな悩みの一つであり、製品形態としてはモイスチャライザー、クリーム、ローションが上位を占めています」。また、ヘインズ氏は「ブライトニング製品の売上シェアは時間とともに拡大しており、消費者のブライトニングに対する意識が一段と高まっていることを示しています」と指摘しました。[2]
出典:Mintel GNPD
肌の輝きトレンドに関連して、色素沈着は美容業界におけるホットな話題となっています。例えば、2024年12月のGoogle検索数は110万件に達しており、2024年通期では2023年比で8%の成長を記録しました [3]。さらに、Global Cosmetic Industry誌によると、「色素沈着治療の市場は2032年まで年率7.58%で成長すると予測」されており、効果的なソリューションを求める消費者の需要の高まりが浮き彫りになっています [4]。
各ブランドはこの動きに応え、ナイアシンアミド、AHA、BHAなどのアクティブ成分を配合したブライトニング処方を相次いで投入しています。これらの成分は、メラニン生成を抑制し、ターンオーバーを促進することで明るい肌を導き出す、実証された色素沈着抑制効果により人気を博しています。また、紫外線ダメージを受けた肌のケアにおいては、肌のバリア機能をサポートし輝きを高めるヒアルロン酸のような保湿成分や、赤みを抑える緑茶エキスのような抗炎症成分も、引き続き高い需要を維持しています [5]。
AHAとBHA:肌の再生を通じた光老化へのアプローチ
グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのアルファヒドロキシ酸(AHA)およびベータヒドロキシ酸(BHA)は、肌の質感と外観を改善し、健康的で輝きのある肌を導く効果があることから、化粧品に広く使用されています。これらは表皮のピーリング剤として作用し、ニキビなどの肌状態の改善や、シワの軽減、肌の肥厚の抑制をサポートするため、光老化のサインにアプローチする優れた成分となります。日焼け止めやハイブリッド処方に安全に配合できる抗酸化物質とは異なり、AHAやBHAはスキンケア製品、特に夜のルーティンでの使用に限定した配合が理想的です
抗酸化物質:時代を超えて愛される、スキンケアの必需品
輝きのある肌へのあくなき追求の一環として、消費者は抗酸化作用を持つ成分にますます惹きつけられています。Mintelによる最近の調査では、中国の成人の62%が「肌のくすみ」を主要な肌トーンの悩みとして挙げています。この問題は、酸化ストレスに関連していることが多く、光老化の影響とも密接に結びついています。
フリーラジカルは、酸化ストレスに関連する肌の老化を促進する要因として研究されてきました。ビタミンA、C、Eなどのビタミン類や、銅、亜鉛、セレンといったミネラル類をスキンケアに配合した抗酸化物質は、フリーラジカルをスカベンジ(除去)することで、内因性および外因性の酸化ストレスから肌を保護します。[6], [7]
「さらに、抗酸化物質は、転写因子の翻訳後遺伝子調節を通じて、DNA酵素修復システムを強化することによって作用する可能性があります。」[8]
ビタミンCは、光老化のサインに対処するためのスター成分の一つとして際立っています。消費者からの人気は不動のものであり、例えばスペインの消費者の22%がビタミンCを「持続的な効果」と結びつけて考えており [9]、効果的で信頼できるスキンケア・ソリューションを求める人々にとって、第一の選択肢となっています。
ウェルエイジング・ソリューションで、健やかな肌を讃える
レチノールの実力と、ナチュラル代替成分の躍進
ビタミンA誘導体には、レチノールやレチナール、さらにそれらの天然および合成誘導体などの化合物が含まれます。これらはコラーゲンの生成を促進し、ターンオーバーを加速させることで肌の健康をサポートし、シワや色素沈着の軽減、ひいては光老化の改善に寄与します。
レチノールとその誘導体は依然として人気の高い成分ですが、乾燥や刺激といった副作用を引き起こす可能性があります。そのため、原料メーカーは、負の側面を排除しつつ同等の有効性を発揮する代替成分の開発を進めてきました。バクチオールは、その天然由来の性質とレチノールに似た効果だけでなく、肌荒れなどの一般的な副作用を伴わずに同様のメリットを提供できる点でも人気を博しており、敏感肌の人々にとっても好ましい選択肢となっています。
出典:Google Trends
ペプチドが再びトレンドの最前線へ
ペプチドは2000年代初頭にスキンケアシーンで爆発的な人気を博し、近年、再び力強いカムバックを果たしています。Deciemのチーフ・サイエンティフィック・オフィサーであるプルドヴィ・カカ(Prudvi Kaka)氏は、Cosmetics Businessのインタビューに対し、「遺伝子編集とバイオテクノロジーの新たな進歩により、以前は合成が極めて困難だった、新規でより複雑なペプチド技術の開発が可能になった」と述べています。同氏はさらに、「現在のペプチドを取り巻く熱狂は、他の強力な成分と比較して、これらの化合物の高い有効性と耐容性を示す臨床研究が増加している結果でもある」と付け加えました。[10]
ペプチドは細胞機能の最適化を助け、日焼け止めを塗る前のスキンケアに取り入れることで、よりなめらかな肌の外観と均一な肌トーンを叶える優れた成分です。
ペプチドとタンパク質は、どちらもアミノ酸で構成されています。主な違いはそのサイズと複雑さにあり、ペプチドはアミノ酸の短鎖であるのに対し、タンパク質はペプチドのサブユニットからなるより大きな分子です。ペプチドは、輸送のための「キャリアペプチド」、細胞間コミュニケーションのための「シグナルペプチド」、反応を促進する「酵素」など、さまざまな機能を果たします。ポリペプチドと呼ばれるより長い鎖に結合することで、タンパク質の構造を決定し、細胞機能を活性化させるメッセンジャーとして作用します。局所的に塗布することで、特定のペプチドはコラーゲンやエラスチンの合成を刺激し、肌のハリと弾力を高めることができます。[11], [12]
考文献
[1] Kantar Profiles/Mintel, June 2024. Base: 1,230 internet users aged 16+ who research ingredients used in beauty/grooming products they buy
[2] CosmeticsDesign. (2024, October 10). Brightening, anti-aging, and beyond: What’s driving professional skin care sales. https://www.cosmeticsdesign.com/Article/2024/10/10/brightening-antiaging-and-beyond-what-s-driving-professional-skin-care-sales/
[3] Glimpse/Google Trends
[4] GCI Magazine. (2024, May 20). Skin pigmentation 2.0: Beauty trend tracker. https://www.gcimagazine.com/ingredients/skin-care/article/22892042/skin-pigmentation-20-may-2024-beauty-trend-tracker
[5] Clinikally. The science behind brightening serums for radiant skin. Retrieved from https://www.clinikally.com/blogs/news/the-science-behindbrightening-serums-for-radiant-skin
[6] Chen, L., Hu, J. Y., & Wang, S. Q. (2012). The role of antioxidants in photoprotection: A critical review. Journal of the American Academy of Dermatology, 67(5), 1013–1024. https://doi.org/10.1016/j.jaad.2012.02.009
[7] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18839043/ Allemann, I. B., & Baumann, L. (2008). Antioxidants used in skin care formulations. Skin Therapy Letter, 13(7), 5–9. PMID: 18839043
[8] Poljšak, B., & Dahmane, R. (2012). Free radicals and extrinsic skin aging. Dermatology Research and Practice, 2012, Article ID 135206. https://doi.org/10.1155/2012/135206
[9] Kantar Profiles/Mintel, June 2024. Base: 849 internet users aged 16+ who research ingredients used in beauty/grooming products they buy (excluding oral care and fragrances)
[10] Cosmetics Business. Peptides are taking the skin care world by storm. https://cosmeticsbusiness.com/peptides-are-taking-the-skin-care-world-by
[11] OneSkin. How to use peptides in your skincare regimen to optimize your health. https://www.oneskin.co/blogs/reference-lab/how-to-use-peptides-in-your-skincare-regimen-to-optimize-your-health
[12] Dermatology Times. What are cosmeceutical peptides? https://www.dermatologytimes.com/view/what-are-cosmeceutical-peptides